院長コラム7月号
多くの生物は、口でものを食べることで命をつないでいます。
人が他の生物と違うのは、立って歩くようになり、道具や火を使うことで、飢えることなく栄養補給ができるようになって、身体も
知性もものすごい勢いで進化してきました。その結果、寿命も着実に伸びてきて、今や100歳以上の人が沢山いることが当たり前のようになっています。
しかし現実は、体の丈夫さや頭の中の神経の長持ちの度合いが、寿命の長さとはバランスが取れていないようです。
今の社会の大問題である認知症、がんなどの様々な病気、足腰の衰弱による寝たきりの問題などは、つい100年前までの50歳から70歳位で寿命を終えていた頃にはほとんどなかった問題です。
その結果、高齢者にとって、健康と長寿が最も大事なテーマとなってきます。
この先も、栄養豊富で良質な食べ物に加えて、医学の進歩により寿命はますます伸びる可能性があります。しかし、人として生きる為に必要な体と心に限界があるかぎり、生きていることが辛くなる可能性がありそうです。