院長コラム5月号
この間、私はある患者さんの入れ歯の調整をしていたら、手の指がつりました。若い頃に比べたら、治療する数はずっと減っています。私の体力が追いつきませんが、幸いに目と耳は使えているので、長年の治療の経験から得た知識や技術を使って、多くの人の幸せの助けになれたらという思いで仕事を続けています。
通院される多くの患者さんも私と一緒に高齢化しています。歯も寿命に来ていて、1本また1本と失っているのが現状で、その歯の代わりにブリッジや入れ歯やインプラントの治療をしています。
入れ歯についてはピタリと合えば、普通に噛めるようになります。普通というのは、ピーナツやお煎餅を歯のある人と同じような速さで噛めるという事です。ところが合わない入れ歯の問題で意外に多いのは、よく噛めないせいで飲み込めず、食事に時間がかかりすぎる事です。一人で食事している時はいいとして、会食あるいは家族との食事で食べるのが遅いと食事を諦めなければなりません。これでは十分な栄養が取れず、体力が落ち病気のもとにもなります。
寿命だけ延びても健康でいなければ、生きていてもつまらなくなります。
健康を保つためには、まずは食事をきちんと取る為に、歯医者としてよく噛めるお口を作る仕事をしたいと思います。