院長コラム12月号
人間の歯は、体の中で一番硬い頭の部分と、骨の中に埋まっている根の部分がありますが、どんな働きをしているでしょうか?
歯は、生えている場所によって形が違い、前歯の頭はナイフのように尖がり、根はスリムな大根のような形で顎の骨の中にあります。この形では、横からの大きな力に弱く、子供などが転倒して前歯が抜ける原因にもなっています。
ライオンなどの肉食動物は、生肉をかみ切ってそのまま飲み込んでしまうので、
前歯が発達していますが、奥にある歯は貧弱です。
一方、人間などの奥歯の頭は、硬い物を砕いてつぶす、大きな力が加わるので
硬くかつ、うすのように平らです。その根は大きく太く、しかも2~3本あって丈夫で長持ちするようにできています。
例えば、象に代表される草食動物は、奥歯が発達していて、栄養価の低い草や、木の実を多量にすり潰せるようになっています。
一方人間は、なんでも食べ、全ての歯をまんべんなく使っています。しかし、
加齢に伴い奥歯が抜けると、その代用に前歯を使うということが起き、総入れ歯の原因になっています。
すると前歯は、咬む力に持ちこたえられず、早いうちに抜けるという現象が起きます。これを防ぐためには、奥歯をなくしたらその代わりに、入れ歯やブリッジ、さらにはインプラントなどを入れて、全体で咬めるように元に戻すことです。
ちゃんと食べられれば、健康を維持することができます。